みんなの会新春のつどい
市政にみんなの声を多摩市民の会(みんなの会)は、2020年1月25日に「新春のつどい」を開きました。つどいでは、Ⅰ部で、事務局から会計報告を行いました。Ⅱ部で「財界主導 大学入試「改革」の行きつく先は?」と題して、首都大学(4月から東京都立大学)教授の荒井文昭さんが、1時間にわたり講演を行い、会場からの質問などを受けました。その後、多忙な中かけつけた、阿部市長のあいさつ、各団体からの報告と発言があり、新春にふさわしいつどいになりました。
荒井文昭さんの講演の概要
「財界主導 大学入試「改革」の行きつく先は?」
源流は、第一次安倍内閣の教育再生会議報告 「美しい国」を復活させる手段としての教育
大学入学共通テストで、英語への民間検定試験導入。国語と数学への記述式問題導入のいずれもが、実施の約1年前に取りやめになったことについて、萩生田文科相は、だれも責任を負わないと答えている。責任は文科相はもちろん、安倍政権の「大学教育の質的転換政策」そのものにあるとして、企業の求める「人材育成」のため、安倍政権、自民党がすすめてきた「教育改革」の到達点とその源流まで遡った解明を行いました。
2017年7月の文部科学省が民間試験利用を決定したのは、2013年の安倍総理の諮問機関 教育再生実行会議の提言でつくられたものであり、民主党の教育再生実行会議の提言を受けたものであるとしています。これらの提言は、第2次安倍政権が誕生する前(2012年11月)の自民党教育再生本部の「大学ビッグバン 知と価値の創造」で求めたものです。そこでは、世界トップレベルの大学強化や、入試の抜本改革と高等教育の質保障、(企業に)開かれた教育と研究体制づくりなどをうたっています。その他、6.3.3.4制の解体や、「日本の伝統文化に誇りを持てる教科書を」と教科書検定や教科書採択などをうたっています。これらは、安倍長期政権の下ですべてが法制化されており、私たちにとって、外堀が埋められた大変厳しい状況になっています。
これらの動きは、2006年10月から2008年1月の第一次安倍政権の教育再生会議で構想されたものであり、そこでは、民主主義、地方自治に不可欠な基本的人権としての憲法26条「学習する権利」を安倍総理が想定する、「美しい国」を復活させる手段としての教育に転換させる政策です。出発点は2006年12月の教育基本法改定の強行にありました。
主権者としての私たちに問われること
最後に荒井さんは、主権者としての私たちに問われることとして、教育の場を、住民自身が声をあげていくとりくみによって、本当のことを学ぶことのできる、自由な場に転換していこうと呼びかけて、話を締めました。
阿部市長あいさつ
地球温暖化問題で大変な危機 アイスランド共和国との交流などについて
荒井さんの講演を受けての、質問や討論が行われている途中で、阿部市長が会場に駆けつけ、あいさつを行いました。
阿部市長のあいさつは、昨年の台風被害に触れながら、地球温暖化の問題は大変深刻であり、グレタさんをはじめ、10代の若者が国際会議で自分たちの未来に大変な危機感をもって、世界的に行動していること、多摩市でも市内の小中学校で、自然エネルギーの可能性を探る取り組みが始まっていることなど、子どもたちが自分たちの未来を守るために真剣に考え始めていることを報告しました。
さらに、オリンピック・パラリンピックで、多摩市がアイスランドのキャンプ地になることで、アイスランド大使と懇談を行ったこと、アイスランドが、ジェンダー平等のランクが世界一位であり、国政の中心は女性であること、軍隊をもたず軍事基地もないなどのアイスランドの現状も話しました。そして地球環境温暖化の問題をはじめ、アイスランドと交流を深めていきたいという考えも表明して、あいさつを終わりました。