連続講座第3回 多摩市の財政 歳入から考える
第3回「みんなの会:財政講座」で学んだこと
10月16日(火)夜、第3回「みんなの会:財政講座」に参加し、講師の新国信さん(税理士さん)のお話をうかがいました。
多摩市の財政について、「特徴はこうだ」という見解を述べるのではなく、多摩市の、たとえば「産業別就業者数」とか「生活保護被保護世帯」などの基本的な統計、さらに予算額や決算額の生の数字を使って、「こういう特徴がある」ということを示唆する内容だったと思います。これらの特徴を、私たち「みんなの会」の会員が、よく議論して、多摩市の財政の特徴を探し当て、改革の道を探り、市だけではなく、都や国に要求を上げていくことが重要だということを、あらためて感じました。
私たちが、まず、基本的に押さえておかなければならないことは、他市との比較で、借金が相対的に少なく、また、収入(歳入)のうち市税約50%あるということです。全国でもきわめて少ない「国から地方交付税をもらっていない自治体」(不交付団体)なので、一般的には「豊かな団体」ということになります。それだけ、市の裁量で、財政運営ができる幅があるということですから、私たち市民から市長に対して「言うべきことはきちんと言う」ことが必要だと思います。
それと同時に考えなければならないのは、多摩市と違って地方交付税を受け取っている普通の自治体と比較すると、市税収入はまったく違いますが、収入の合計ではほぼ同じ。ほかの自治体の平均額と比較すると、むしろ、多摩市の収入のほうが下回るという現実もあります。これは、市民のための財政支出にも限界があることを示しています。多摩市の財政状況からだけ見て判断するのではなく、自治体が自治体としての役割を果たせるよう、ほかの自治体とも協力・共同して、国に対し一致して要求していくことの重要性を再認識しました。
参加者からは「市民の手で財政白書を」の意見も
参加者からは、「多摩市は、剰余金が出ると半分は基金に、半分は繰り越しているが、この繰越金はどこから出てきたのか?」、「給与所得者が増えている、多摩市は高齢化が進み税収が下がるというイメージがあったが、現状ではそうではないことがわかった」、「公共施設の問題で話し合うと、必ず、人口減や税収が減る一方と市の職員の人たちは強調し、いまから考えなくてはいけないという話をする。こちらも本当のところを理解して話をするために、市民で財政分析を行い多摩市の財政白書をつくるべき。」などの質問や意見が出されました。
次回(第4回)は、11月12日(月)18時30分からベルブ永山講座室で、多摩市の歳出をテーマに開きます。